ガンプラを作っていくと、すぐにひとつの現実にぶつかる。
作った。では、どこに置く?
せっかく完成させても、むき出しならホコリをかぶる。
並べたいと思えば、場所が足りない。
しかも人は欲深い。安く済ませたいくせに、見た目まで整えたがる。
そこで今回は、ダイソーで手に入る透明ケース2種類が、ガンプラ展示に使えるのかを実際に見ていく。
比較するのはこの2つ。
・透明コレクションケース(組み立てタイプ)500円
・透明収納ケース 300円
どちらも手を出しやすい価格だ。
だが、同じ透明ケースだからといって、同じ役目を果たすと思うな。
結論から言えば、
立たせて飾るなら「透明コレクションケース」。
低めの機体や小物整理まで考えるなら「透明収納ケース」。
ケースにも役割がある。何でも入ればいいというものではないんだ。
※サイズは公式表記を参考にしています。
今回比較するケース
1. 透明コレクションケース(組み立てタイプ)
サイズは約 幅27cm × 奥行18cm × 高さ23cm。
高さは十分にある。
だからHG 1/144クラスなら、機体を立たせて飾りやすい。
人型は立ってこそ人型だ。しゃがませて収めるようでは、ケースに負けている!

透明コレクションケース。組み立て式です。
高さがある。
だから機体を立たせやすい。
それだけのことだと思うな。
立てられるということは、見せられるということなんだ。
良いところ
・高さがあり、機体を立たせやすい
・展示用らしい見た目で映える
・正面から見るとスッキリしている
気になるところ
・横幅、奥行きにはそこまで余裕がない
・武装を広げる機体は窮屈になりやすい
・組み立て式なので、少し手間はかかる
高さはある。
だが、広いわけではない。
人は高さを与えられると、自由になった気でいる。横幅という現実も知らずにな。
実際に入れてみると
数字を見ただけでは分からない。
機体を入れて、立たせて、眺める。
そこで初めて分かる。
ケースの器量というものは、機体を受け入れたときに露呈するんだよ。

正面から見ると、思った以上に入る。
上段にはメッサー2機。
下段には、後方のザク3体をスタンドで浮かせ、ドムとグフを前に押し込む。
かなり入る。
だから人は考える。
「まだ入るやろ」
そして詰める。さらに詰める。
その先にあるのは収納ではない。
満員電車だ。人は空間を与えられると、なぜ限界まで埋めようとする!

横から見ると、詰め込み具合がよく分かる。
メッサー2機は、かなり密着気味。
下段も大型機が前後に重なるので、横から見ると密度がすごい。
ここまで来ると、展示ケースというよりMS立体駐車場だ。
だが、このケースは重ねられる。
しかも底面に凹みがあるので、横置きでも安定感はかなり高い。
積める。安定する。ならば人は積む。そこに空間がある限りな!


ガンプラだけを入れる? それでは、このケースの才能を半分も使えていない!
棚板を使えば、フィギュアやミニチュアギターなどの小物も収まる。
ただのケースだったものが、急に趣味の博物館になるんだ。
横から見ると、棚板の高さを変えられるのがよく分かる。
奥行きはそこまで広くない。だが、前後に置けないなら上下へ逃がせばいい。
空間が足りないのなら、使い方を変えろ。人はそうやって場所を作ってきたんだ!
小物展示では、この自由度がかなり効いてくる。


横で窮屈なら、縦にすればいい。それだけのことを、人はなぜ試そうとしないのか。
今回はケースを縦置きにして、ジオン系の機体を詰め込んでみた。
見たまえ。正面だけを見て「入らん」と判断するのは早計だ。
ケースというものは、前から眺めて終わる道具ではない。上から見て、奥行きを読み、武装の逃がし場を見つけてこそ、その本質が見えるのだよ。
ジオンの機体は、肩が張っている、武器が長い、妙に場所を取る。まったく、量産機のくせに自己主張だけは一人前だ。
だが、それでいい。そういう連中をどう押し込み、どう立たせるか。その試行錯誤にこそ、飾る楽しさがある。
きっちり整列した優等生の展示ではない。しかし、この圧迫感、このむせるような密度感こそジオンだろう!


そして、ナイチンゲール。
見たまえ。この潔いはみ出し方を。
「ケースに入れる」という人間側の都合など、最初から聞く気がない。横幅も奥行きも高さも、全部自分基準だ。さすがは総帥専用機、収納側に合わせる気がまるでない。
一応、向きを変える。角度も変える。武器も寄せる。こちらも努力はする。だが、そういう小細工を笑うかのように、しっかり外へ出る。
入らないのではない。ナイチンゲールが「ここではない」と言っているのだ。
こうなるとケース選びではなく、もはや土地探しである。
ケースが小さいのではない。ナイチンゲールがデカすぎる。話はそれだけだ。

ナイチンゲールで現実を思い知らされたあと、クシャトリアを入れてみる。
……入る。入るではないか。
しかも、余裕があるとは言わない。バインダーは四方に張り、頭上も左右も、ケースの寸法をかなり使い切っている。
だが、それでいい。収納というのは、余白を愛でるものではない。入るか、入らないか。その二つしかない。
ナイチンゲールが「私は箱に収まる器ではない」とでも言いたげに外へ出たのに対し、クシャトリアは無言で全部しまい込む。
この違いだ。
でかいのに、入る。これだけで妙に勝った気になる。
もちろん、ポージングの自由はほぼない。ファンネルを飛ばす? そんな贅沢を言ってはいけない。
これは展示であると同時に、ケースとの停戦協定なのだ。
2. 透明収納ケース
サイズは約 28cm × 19cm × 14.5cm。
こちらは高さが低めなので、背の高いポーズにはやや不向きですが、横幅と奥行きの感覚は悪くありません。

こちらは透明収納ケース。今回は2面にミラーシールを貼って、少しでも“展示物らしく”見せている。
だが、最初に言っておこう。これは本来、見せるための箱というより、しまうための箱だ。
それでも人は飾りたくなる。そこに透明な壁があるなら、何かを入れて眺めたくなる。それが人というものだろう。
良いところ
・収納ケース寄りなので、出し入れが楽で扱いやすい。
・高さをそれほど必要としない機体や、少し寝かせ気味のディスプレイとは相性がいい。
・本体だけでなく、武器や小物までまとめて放り込める。展示と収納、その境界が少し曖昧なのがむしろ強みだ。
・2面にミラーシールを貼ると、奥行き感が増して、価格の割に少し“それっぽく”見える。
気になるところ
・高さは14.5cm。立たせる機体によっては、頭上の余裕が一気になくなる。
・展示映えという点では、やはりコレクションケースに一歩譲る。箱には箱の役割がある、ということだ。
・ポージング次第では天井が近い。少し腕を上げただけで「そこまでだ」とケース側から止められる。
つまりこれは、展示ケースになりきれなかった収納ケースではない。収納ケースのまま、こちらが勝手に展示させているのだ。
そう考えれば、これはこれでかなり使える。
ミラーを貼れば、だいたい人は「高そう」に見える。ガンプラもケースも、たぶん同じだ。


まずは横置き。
シナンジュを台座ごと入れてみると、思ったより収まりはいい。
横幅にはまだ余裕があるし、ライフルを持たせてもそこまで窮屈ではない。
2面に貼ったミラーのおかげで、後ろ姿や盾の裏側まで見えて、単純な収納ケース感はかなり薄くなる。
ただし、横置きにはひとつ問題がある。
高さがない。
台座を使って浮かせると、上方向の余裕は一気に減る。少し大きく見せようとすると、すぐにケースの天井が「そこまでだ」と言ってくる。
つまり横置きは、見栄えはいい。だが自由は少ない。
シナンジュのように横方向へ広がる機体には悪くないが、縦方向の余裕まで欲しがると話は変わる。
そこで次は、同じケースを縦にしてみる。
人は箱を横に置くものだと思い込みすぎなのではないか。
そういう固定観念を、シナンジュに壊してもらおう。


そして縦置きである。
人は箱を見ると、すぐ横に置きたがる。だがそれは思考停止だ。
シナンジュみたいな、前にも後ろにも横にも気配を撒き散らす機体に対して、「四角い箱だから四角く収まれ」なんて言うのは、あまりに人間の都合が過ぎる。
縦にして立たせてみると、なるほど分かる。
これは単なる収納ではない。シナンジュという“赤い自意識”を、ひとつの檻の中で立たせる装置なんだよ。
正面から見れば、いつものあの顔でこちらを威圧してくる。
だが、ミラーに映った背中は違う。
装甲の曲面、スラスターの張り、立ち姿の重心――そういうものが、正面では見せない機体の“後ろ姿”としてぬるりと立ち上がってくる。
まったく、モビルスーツのくせに背中で語るなと言いたい。
だが語ってしまうのだから仕方がない。
この、正面は威圧、背面は艶。
それがミラーで不意に増幅されるものだから、見ている側は「お前は一機で二度おいしいのか」と少し腹が立つ。
小説版みたいに言えば、
正面のシナンジュは戦うための顔で、背中のシナンジュはまだ言葉にならない熱を隠している。
そういう危うさがある。
ガンダムというより、もはや“見せつける生き物”だ。
ケースとして見ても、縦置きはかなり優秀。
設置面積を抑えつつ、台座を使った立ち姿が作れるし、ミラーのおかげで奥行きの不足も演出でひっくり返せる。
つまりこれは、ただ飾るのではない。
省スペースで、シナンジュのナルシズムまで展示してしまう置き方なのである。
結論として、この透明収納ケースは「悪くはない」。だが、積極的に展示用として選ぶかと言われると、少し迷う。
まず気になるのは安定感。横置きではまだ使えるが、縦置きすると“置いているだけ”に近く、専用品のような安心感はない。滑り止めなどで補強したほうがいい。
さらに、透明度もコレクションケースほど高くない。中身は見える。ただし、せっかくの塗装やデカールを気持ちよく見せるという意味では、どうしても一歩劣る。
ミラーシールを貼るとそれなりに化けるし、1体展示なら十分あり。だが、展示専用品と比べると「安いから工夫して使うケース」であって、「そのままで完成された展示ケース」ではない。
要するに、これは優秀な代用品ではある。だが代用品であることを忘れると、途端にボロが出る。
その代わり、使わなくなってもカメラや小物入れに転職できる。この潰しの利き方まで含めれば、300円としては十分に面白い。

ガンプラ展示目線で比べるとどうか
結論を先に言うと、HGを普通に飾るなら「透明コレクションケース」のほうが使いやすいです。
理由は単純で、高さ23cmあることに加えて、展示ケースとしての安定感と透明度が高いからです。
ガンプラは本体の全高だけでなく、アンテナ、武器、ポージング、スタンド使用の有無で必要スペースが大きく変わります。実際に入れてみると、数値以上に“高さの余裕”が効いてきます。
一方の「透明収納ケース」は高さ14.5cm。横置きなら1体展示には十分使えますし、ミラーシールを貼れば見栄えもかなり改善します。縦置きにすると高さを稼げるのも面白いところです。
ただし、もともと展示専用品ではないため、縦置き時の安定感は低め。滑り止めなどでの補強はしておいた方が安心です。さらに、透明度もコレクションケースには一歩及ばず、塗装やデカールをきれいに見せたい場合には差を感じます。
つまり、
・見せることを優先するなら「透明コレクションケース」
・安さ、収納、流用性を優先するなら「透明収納ケース」
という住み分けになります。
透明収納ケースも決して悪くありません。むしろ300円でここまで遊べるなら十分面白い。
ただし、「展示ケースとして完成されている」のはコレクションケース、「工夫して展示にも使える」のが収納ケース。実際に使ってみると、この差はかなり分かりやすかったです。
実際に使うなら、どんな人に向いているか
ここまで散々入れて、立てて、横にして、縦にして、しまいにはナイチンゲールに「お前の居場所はここではない」と教えられた。
では結局、この2つのケースは誰に向いているのか。
ケースというものは、透明だから同じなのではない。
何を入れ、どう見せ、どこまで無茶を許容するかで、その性格はまるで違ってくる。
透明コレクションケースが向いている人
・完成したガンプラを、きちんと「展示物」として見せたい
・HG 1/144を中心に飾りたい
・複数体をまとめて収容したい
・台座を使ったポージングも楽しみたい
・ホコリ対策と見栄えを両立したい
・できるだけ安く、それでも「飾っている感」は欲しい
透明コレクションケースは、やはり最初から見せることを考えて作られている。
高さがあり、透明度も悪くない。横置きだけでなく縦置きという逃げ道まである。
機体が少し大きい?
武器が長い?
肩が張っている?
ならば向きを変えればいい。
ケースというものは、中に入れた瞬間に人間の思考まで固定するものではない。
実際、メッサー2機を押し込み、ジオンの量産機を立体駐車場のように詰め込み、クシャトリアまで収容できた。
もちろん限界はある。
ナイチンゲール、お前のことだ。
だが、それ以外のHGクラスなら、工夫次第でかなり遊べるケースだと思う。
透明収納ケースが向いている人
・とにかく安く試してみたい
・1体だけ飾れれば十分
・低めの機体を中心に飾りたい
・武器やオプション類の収納にも使いたい
・展示に使わなくなっても別用途で再利用したい
・「本来の用途? 知らん。使えればいい」という人
こちらは少し事情が違う。
本来は収納ケースである。
つまり、最初からガンプラを格好よく見せる使命など背負っていない。
それをこちらが勝手に横倒しにし、縦に立て、ミラーまで貼り、シナンジュを入れて「どうだ、展示ケースになっただろう」と迫っているだけだ。
ケース側からすれば迷惑な話である。
それでも、1体展示なら意外と悪くない。
2面にミラーシールを貼れば、正面だけでは見えない背面まで映り込み、情報量は一気に増える。
シナンジュなど入れようものなら、正面では威圧し、鏡の中では背中まで見せつけてくる。
まったく、モビルスーツのくせに自己演出が過ぎる。
ただし、透明度や安定感ではコレクションケースに及ばない。
特に縦置きは「固定されている」のではなく、かなりの部分で「そこに置いてあるだけ」である。
縦置きするなら滑り止めなどの対策はしておきたい。
これは完成された展示ケースではない。
工夫すると展示にも使えてしまう収納ケースである。
そこを理解して使えば、300円としては十分面白い。
使ってみて感じた注意点
まず、ダイソー製品なので店舗によって在庫には差がある。
今日あったからといって、明日もあるとは限らない。
「あれ良かったから、もう1個買おう」
そう思ったときには、棚から消えている。
人は失って初めて、その500円ケースの価値を知るのである。
……というのは大げさだが、気に入った場合は必要数を早めに確保しておいた方がいい。
そして、ケース選びでもっとも重要なのは、商品の外寸だけを見ないこと。
ガンプラは立っているだけではない。
アンテナがある。
肩が張り出す。
バックパックが飛び出す。
ライフルが長い。
盾が邪魔をする。
台座に乗せれば、当然さらに高さを使う。
つまり、箱の寸法と機体の全高を比較しただけでは何も分からない。
ガンプラは数字通りには収まらないのである。
特に注意したいのは、
・大型バックパックを持つ機体
・横方向に武器を広げる機体
・大きな盾を持つ機体
・台座を使って浮かせたい機体
・クシャトリアのように本体以外がやたら自己主張する機体
このあたり。
そしてナイチンゲール。
君はもういい。
また、複数体を入れる場合は「入る」と「きれいに飾れる」を分けて考えた方がいい。
5体入った。
それは事実である。
だからといって、5体が優雅に暮らしているとは限らない。
ケースの中で肩を寄せ合い、武器を避け合い、前後に重なっている姿を見れば分かる。
収納可能数と快適定員は違う。
これは電車でもガンプラでも同じである。
だから最初から万能なケースを探すより、まず1個買って試してみる方が早い。
入れてみる。
向きを変える。
縦にしてみる。
棚板を動かす。
それでもダメなら諦める。
それでいい。
このブログは「ガンプラ実験室」。
作る、試す、たまに失敗する。
ナイチンゲールが入らなかったことまで含めて、実験結果なのである。
今回の結論
今回、ダイソーの2種類の透明ケースを実際に使ってみた。
結論はかなりはっきりしている。
ガンプラを“見せる”ことを優先するなら、透明コレクションケース。
安さ、収納、流用性まで含めて使い倒したいなら、透明収納ケース。
透明コレクションケースは、高さ、透明度、安定感のバランスがよく、HG 1/144を飾る用途では素直に使いやすい。
1体だけを余裕を持って飾ることもできる。
複数体を詰め込むこともできる。
縦置きにして、高さ方向を利用することもできる。
棚板を使えば、ガンプラ以外のフィギュアや小物にも対応できる。
500円という価格を考えれば、かなり遊べる。
一方の透明収納ケース。
こちらは展示ケースとして見ると弱点がある。
透明度はそれほど高くない。
縦置きしたときの安定感も低い。
そのまま置いただけでは、いかにも収納用品である。
だが、ミラーを貼る。
向きを変える。
台座を入れる。
すると急に、それなりの顔をし始める。
本職ではないのに、やらせてみたら意外と仕事をする。
そういうタイプである。
しかも展示に使わなくなったら、小物、工具、カメラ用品などを入れればいい。
展示ケースとして人生を終えなくてもいいのだ。
最終的に、初めて1個買うなら、個人的には透明コレクションケースを選ぶ。
理由は単純。
置いただけで、それなりに格好いい。
これは大きい。
透明収納ケースは面白い。
工夫する余地もある。
だが、こちらが少し働かなくてはいけない。
透明コレクションケースは、ケース側がある程度働いてくれる。
その差である。
そして今回分かったことがもうひとつある。
ケースというのは、単に模型をホコリから守る箱ではない。
向きを変えれば見え方が変わる。
ミラーを貼れば背中が見える。
棚板を置けば密度が変わる。
機体を詰めれば格納庫になり、一体だけ置けば展示室になる。
つまりケースも、ガンプラ遊びの一部なのだ。
「これ使える?」
「本当に入る?」
「代用品でいける?」
そう思ったら、とりあえず試してみればいい。
そして失敗したら?
そのときは記事が一本増える。
ガンプラ実験室としては、それも成功なのである。
今後の実験予定
・100均アイテムはガンプラ工具の代用品になるのか
・ガンダムマーカーは何で一番きれいに拭き取れるのか
・展示ケースを並べたときの見え方比較


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