完成したはずなのに、なぜ写真になると敗北する!
ガンプラは完成した。
塗装もした。スミ入れもした。デカールだって貼った。
よし、撮影だ!
……暗い。
なんだ、この写真は。
肉眼ではあれほど存在感のあったメッサーが、スマホの画面の中では、ただ部屋の隅に置かれたプラスチックの塊になっているではないか。
「機体の性能を引き出せていないのは、撮影する側ではないのか?」
認めたくはない。しかし、写真は残酷なほど正直だ。
そこで考えた。
高価な機材がなければ、ガンプラは美しく撮れないのか?
いや、そんな理屈はない!
100均の画用紙とボード、手持ちのLEDライトでどこまで変わるのか。実験してやろうではないか。

今回の作戦に投入した機材
用意したのは白と黒の画用紙、カラーボード、マスキングテープ、LEDライト、三脚。
背景紙を壁から床へゆるやかに曲げ、境目を消す。
「これで撮影スタジオだというのか?」
そうだ。少なくとも、さっきまでの床と壁よりはずっといい。
金をかける前に知恵を使う。それが実験室のやり方だ。


撮影条件は固定する。それが比較というものだ!
使用したスマホはXperia SO-52C。
ISO100、シャッタースピード1/30秒、ホワイトバランス蛍光灯、画像比率4:3。フラッシュとフィルターはOFF。
三脚に固定し、3秒タイマーで撮影する。
撮影位置にはマスキングテープで目印を付けた。
多少の位置ずれはある。そこまで完全に制御できる設備ではない。
しかし、条件を変えた写真を適当に並べて「こちらがきれいです」では、実験とは呼べまい。
なお、2倍撮影はオートモード。こちらは露出が固定された比較とは区別する。
背景は白か黒か。それが問題なのか?


白背景は明るい。黒背景は機体の輪郭を引き締める。
しかし、白い紙を使えば正義で、黒い紙を使えば悪役という話ではない。
見せたいものが違うのだ。
機体の色や工作の状態を伝えたいのか。それとも完成作品の迫力を見せたいのか。
撮影者がそれを決めずして、背景だけに答えを求めるというのか!

LEDライトを動かせ! 光には方向がある!



ライトを正面、斜め45度、真横へ移動してみた。
正面は全体を明るくしやすい。
斜めからなら陰影が生まれる。
横からなら光と影の差が強くなる。
今回のメッサーでは斜め45度が使いやすかった。
しかし、45度という数字を信仰してはいけない。
光の当て方は機体の形や塗装によって変わる。
照明とは、明るさを増やすだけの装置ではない。形を見せるための道具なのだ!

白レフ板よ、影を救えるか!



LEDの反対側に白いボードを置く。
影になった部分へ光を返すためだ。
今度は黒いボード。
こちらは反射を抑える方向に使う。
同じ板でも、白と黒で役割が異なる。
しかも劇的な変化ばかりではない。
「100均だから効果が弱いのか?」
そう短絡的に決めるものではない。
レフ板は光を新しく生む装置ではない。今ある光をどう扱うかという道具なのだから。
【内部リンク:記事④ レフ板の効果比較】
カメラの高さを変えれば、世界の見え方も変わる
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下から撮れば、メッサーは巨大な兵器のように見える。
上から撮れば、装甲や武器の配置が分かりやすい。
実物は同じなのに、印象が変わる。
何を見せるかを決めるのは、レンズではない。撮影者なのだ。
【内部リンク:記事⑤ 撮影角度と2倍撮影】
光沢シナンジュ、光りすぎるのも考えものだ!
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シナンジュでは光沢が問題になった。
強く反射すればするほど美しい?
違う!
反射が強すぎれば赤い装甲の色も細部も見えなくなる。
照明の位置を調整して、反射の入り方を変える。
光沢を消すのではない。
光沢に振り回されず、こちらが光を制御するのだ!
※2枚は構図も異なるため、照明位置だけを変えた厳密な比較ではない。

結論:撮影者よ、機材のせいにする前に考えろ!
今回の実験では、背景紙やLEDの位置を変えるだけで、写真の印象が大きく変わった。
ただし、すべての機体に通用する万能設定は見つかっていない。
そんなものがあれば苦労はしない。
だからこそ試す。
失敗すれば、なぜ失敗したか考える。
そしてまた撮る。
完成したガンプラを美しく見せたいのなら、撮影だって製作の延長ではないのか。
……とはいえ、撮影している時間のほうが組み立てより長くなってきた。
これは、どういうことなのだ!







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